篠宮です。
Uターン転職するにあたって大きなハードルになるのが上司からの慰留です。せっかく理想の転職先の会社を見つけたのに、上司の引き止めにあって折れてしまっては転職活動につぎ込んだお金も時間も水の泡。
でも、実は上司が口をつくんでしまう退職理由があるんです。今回は大手企業の人事部で様々な退職決裁書に目を通してきた私も思わず唸った退職理由をまとめてみました。この記事を読めば、あなたも退職交渉をスムーズに進められますよ。
目次
転職理由を考えるときの大前提
大前提として、嘘をついてはダメです。いくら今の会社を辞めたいからといってそのために嘘の退職理由をでっち上げないことです。理由が嘘だろうが何だろうが、2週間前に退職の意思を伝えれば会社に引き止める権利はありませんが、それでも嘘をつくべきでない理由は、度重なる慰留の中で絶対にボロが出てバレるからです。たとえうまく職場の上司を欺いたとしても、人事の目をかいくぐるのは至難の技です。私自身会社では人事部門にいますが、周囲が思っている以上に人事は社員の情報を知っています。前提になっていた退職理由が嘘となれば、辞めたいという気持ちに変わりなくても、カウンターパンチを食らってさらに引き止められるか、後味の悪い退職になるかのいずれかです。
慰留を突破するU・Iターン退職理由
では前置きはそれくらいにして本題にいってみましょう。
1·結婚(女性限定)
就職に関しては男女雇用機会均等法に基づき、男女間の格差は少なくとも「建前上」無くなっていますが、こと退職に関しては全くもって男女平等が進んでいる気配は感じられません。結婚をトリガーにした退職(夫の勤務地への転居・専業主婦化)はその最たる例でしょう。
退職理由に「結婚」と書けば、「コンプライアンスってなんですか?」なよほどのブラック企業でない限り間違いなく最速で辞められます。世間的には喜ばしいことなので、水をさして嫌われたくはないのが人の性ですし、さらに生々しいことを言えば、上司も会社も下手に引き止めてトラブルになるリスクを抱えたくないからです。ただ、繰り返しますが女性限定です。男でこれをやると、平気で価値観を踏みにじられます。
2.育児専念(女性限定)
1と同じく女性限定ですが、育児に専念したいと言えば絶対に辞められます。ただ大事なのは、「残業が多いので」とか「出社時間が」とか言わないことです。そうなると就業時間が交渉材料になるので、定時間勤務や時差出勤などのアイテムが人事から矢継ぎ早に繰り出されます。さらに、収入が減ったら養育費がどうこうと謎の「人生の先輩」目線で説得されます。なので、「家族と相談し、仕事はすっぱりやめて育児に専念することに決まった」「収入面は問題ない」と、強く言い切ることです。
3.家族の介護
Uターンの場合の正攻法はこれではないでしょうか。仕事と家族どっちが大事なんだ、なんてことはさすがに言われないはずなので、理由としては男女問わず使いやすいと思います。ポイントは2つ。1つは家族の近くに異動できる可能性が無いこと。転勤で対応できるのであれば人事はすぐにそれで動きます。もう1つは自分が介護しなければならない理由です。たとえば介護対象の親と、自分の兄弟が同居している場合は転職理由としては弱く、交渉の余地を与えることなります。
4.家業を継ぐ
誰もが使えるわけではありませんが、実家が自営業をしている場合は有効な理由です。しっかりとした企業でなくても、農家などもこれに当てはまります。気をつけなければならないのは、冒頭でも書きましたが嘘はつかないこと。会社に提出する様々な調書(緊急連絡先・年末調整など)の中で知らないうちに家族の職業が人事システムにインプットされている可能性がありますので、必ず参照されます。
NGな転職理由
以上の項目に共通するのは、会社や仕事が理由になっていないということです。逆に、たとえばこんな理由はおすすめしません。
- 業務内容が自分にあわない
- 給料が少ない
- 残業が多い、休みが少ない
個人の価値観なので結局上記の理由でも辞めるには辞められますが、会社や仕事を理由とする場合はそこを取り除けば思いとどまってくれると判断するので、そのための様々なメニューを提供してきます。たとえば、業務内容が合わないの場合は、配置転換などですね。給料が少ないとか休みが少ないなどは会社の制度なのでどうしようもないと思われがちですが、「近いうちに改善する予定がある」などと言われることはざらにあるので、やはり理由としては弱くなります。
まとめ:転職理由で大事なこと
結論としては、説得すれば思いとどまる余地があると思わせないことが重要です。そのためには、会社や仕事以外のところに退職理由があることと、退職することは確定事項であるということを、しっかり伝えることが重要です。
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