プロローグ – 私がUターンを決意した理由 | 二兎を追うUターン転職

プロローグ – 私がUターンを決意した理由

篠宮です。私と妻、互いのやりたいことを実現するために当面の単身赴任を決意したところまでが前回の投稿です。しかし、その生活はいつまでも続きませんでした。

東京での単身赴任生活

新職場と新生活

新しい職場での仕事は、大変ながらも刺激的でした。さすがに本社は集まっている人のレベルも高く、もともとの目的だったキャリアの積み上げという意味では、これ以上無い場所だったかと思います。

もちろん自社だけではなく、名だたる大企業の本社が東京に集結してるわけで、周囲の人たちの意識の持ち方も地方とは全く違うように感じました。(地方がダメというわけでは決してありません)

周囲の人たちに刺激されて強制的にそのレベルまで引き上げられるという意味でも、東京で仕事するチャンスがあるなら一度は経験する価値があると思います。

意外と「食」には困らなかった

生活についても、思っていたほどの不自由はありませんでした。単身赴任の一番の心配は「食」です。しかし蓋を開けてみれば、24時間営業で惣菜が置いてるSEIYUが近くにあったこともあり、米だけ炊いとけばどうにでもなる世界だったので、外食続きで栄養バランスが、、ということも特にありませんでした。

結局のところ資本主義経済の日本のこと、需要があるところにはきちんと供給があるということなんだと思います。

別居婚でもいいじゃない

このブログのテーマからすると意外かも思われるかもしれませんが、この時点で私は、自分たち夫婦がした「別居婚」という選択について少なくとも否定的には捉えていませんでした

夫婦だから一緒に住むべきというのはある種のステレオタイプであり、双方の合意があるのなら、別居していても夫婦は夫婦だと思っていたからです。別居婚とはいっても平均して月に1回は会っていましたし、それ以外の日でも毎日電話はしていたので、それはそれでいいかと感じていました。

この手の話をするとよく浮気ネタに派生するのですが、それには懐疑的でした。一緒に住んでいてもしようと思えばいくらでもできるわけで、別居しているから浮気するというのは、ゴシップ的には面白いですが、短絡的でナンセンスだと思います。

東京で生活していくということ

楽ではなかった単身赴任

一方で、平日の日中仕事をしながら、毎日掃除や洗濯もというのは時間的・気力的に正直不可能でした。独身だったらそもそも一人しかいないので自分でやって当然なのですが、妻が今までやってくれていたことを考えると、自分たちで選んだ道とはいえ、フラストレーションは少なからず溜まります。私の場合、平日は「食」のみに集中し、それ以外はすべて休日にひたすら消化していくというリズムを早期に確立しました。

見てないふりをしてきた「実家問題」

私・妻の当事者同士は「別居婚」に納得していました。が、双方の両親はそうではありませんでした。

お互いの実家は異なる地方にあります。率直に言って就職したときも転勤を受け入れたときも全く計算に入れていなかったのですが、親はいつまでも若くはありません。単身赴任生活となってしばらくしてから、私の母から連絡があり、父の体調が悪いから帰ってきてほしいということを伝えられました。(結局その原因はわからないまま、いつの間にか治ったようです。あとになって、私たち夫婦への心配から来るストレス性の何かだったんじゃないか、と教えれました)

ともあれ、このときに初めて私は将来に横たわっている現実を直視しました。私も妻も家庭環境的に、大なり小なり親の面倒を見るというのはほぼ避けられません。そのことを、ここになって真正面から突きつけられた気がしました。

あらためて人生設計を考える

また、当時まだ子どものいなかった私たちですが、ゆくゆく単身赴任解消となり将来的に子育てをすることを考えたとき、東京でそれをしていくのは非現実的だと考えました。誰もがやっているなか甘っちょろいのかもしれませんが、前述のとおり近くに頼る親類も無いなか、2人だけで子育てをしていく自信は私たちにはありませんでした。

それに、子育てをするのなら、コンクリートジャングルではなく、私たちが育ってきたような広々とした自然に囲まれた環境で、ということも漠然と思うようになりました。

決意した退職

転勤か転職か

前述の経緯から東京で生活を続けることに疑念を抱きはじめたのですが、最初から転職を考えたわけではありませんでした。もともと地方の支社から転勤で東京へ異動となった身なので、再び地方への転勤を願い出るという選択のほうがむしろ自然ではありました。そこで私が考えたのが下記です。現職で支社へ転勤をする場合と、転職をする場合で何が変わるかを整理しました。

・支社転勤の場合

  • 収入面の心配はいらない(先を見通せる)
  • 職務内容の幅は本社ほど広がらず、キャリア形成にはマイナス
  • 再転勤の可能性は将来にわたって残される

・転職の場合

  • 転勤の無い人生を歩める可能性がある
  • 収入は条件次第
  • キャリア形成は職務内容次第

結論としては、それまでの安定を捨て、転職することを選びました。

決め手になったのは、再転勤の可能性の有無です。仮に現職でワガママを叶えてもらい地方へ異動となったとして、それはいつまで保証してもらえるのでしょうか?そのとき温情をかけてくれた上司が退職したあとは?

エリアを限定しない(=どこにでも飛ばされうる可能性のある)総合職として賃金をもらっている以上、転勤を拒み続けるというのは、私は違うと思っています。さらにいえば、転勤を伴う職場異動は、人員配置上の経営判断であると同時に、本人のキャリア開発も意図されているものなので、それを拒否するのは自らキャリア形成のチャンスを取りこぼし続けることと変わりありません。結局のところ、転勤をさせてもらうというのは長い目で見れば、損失が大きいと判断しました。

一方で、転勤のない地元の会社へ転職をすれば、それまでの最大の不確定要素であった住まいがクリアになり、親の介護や子育てに関する問題が一気に見通せるようになります。今まで現職で積み上げてきた人脈やノウハウはすべてリセットされることになるものの、会社選びを間違えなければ、収入・スキルアップのチャンスにすることすら可能だと考えました。

上記の理由から、私は「Uターン転職」の道を選び、具体的に行動していくことを決意しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA